骨粗しょう症について、骨の健康管理について、
気になる疑問に答えています。
- 「骨粗しょう症」って骨の老化のこと?
- 骨粗しょう症とは、骨の量が減り、骨の質も低下して、骨折しやすくなる病気です。骨粗しょう症の人は、普通の人より速いスピードで骨が劣化しています。診断を受けて治療すれば骨折リスクを抑えることができるので、ただの老化としてあきらめず、病気として捉えてケアすることが肝心です。
- 健康診断で身長を測ったら、若いころより身長が縮んでいた
けれど、骨に異常があるの?
- 20代のころに比べて身長が縮んでいる人は、気付かないうちに背骨が弱くなり、つぶれるように折れてしまっているかもしれません。3cm以上身長が縮んでいたら、一度、骨密度検査を受けてみましょう。
- 骨粗しょう症になりやすい体質はあるの? 遺伝は関係する?
- 骨粗しょう症は、閉経後の女性に多い病気です。遺伝も関係しており、母親が骨粗しょう症であったり、太もものつけ根を骨折したことがあると、娘も骨粗しょう症になりやすいと言われています。
- 規則正しい生活で元気に過ごしてるけど、
骨粗しょう症になるの?
- 生活習慣も骨粗しょう症のリスクですが、加齢、閉経による女性ホルモンの減少など、生活習慣だけでは左右することのできないリスクも大きいので、ならないとは言えません。特に女性は50歳を過ぎたら定期的に骨密度をチェックして、気付かないうちに低下することのないように気をつけましょう。
- 運動すると骨粗しょう症の予防になる?
- 歩いたり、適度に走ったりするなど、自分の体重がかかるような運動をすると骨が強くなることがわかっています。じっと動かずにいると骨は劣化してきます。日ごろからよく歩くなど、若いうちから運動の習慣をつけておくとよいでしょう。ただ、骨が減って骨粗しょう症に向かうことは、運動だけで食い止めるのは難しいと言われていますので、定期的に骨密度をチェックしましょう。
- 毎日牛乳を飲んでいれば骨粗しょう症にはならない?
- 骨のもとになるカルシウムを十分に摂取することは重要です。
ただし、カルシウムが適切に吸収されるためにはビタミンDなどの他の栄養素も必要であり、牛乳だけでなく、バランスの良い食事を若いうちから心がけることが大切です。しかし、それだけでは、骨が弱くなるのを防ぐことはできません。中高年になったら骨密度検査を受けて、しっかり自分の骨の状態を確認しておきましょう。
- 自分の骨がどれくらい丈夫か、
検査機器など使わずに簡単に知る方法はあるの?
- まずは「あなたの骨チェック」を気軽に試してみましょう。
骨がもろくなり骨折するリスクがわかります。実際に丈夫かどうかは、検査を受けてみなければわかりません。お近くの病院などで骨密度検査を受けるようにしましょう。
- 自覚症状が出てから、骨密度検査を受けたらいい?
- 骨密度が減って骨折リスクが高まっても、骨折していなければ、自覚症状はありません。気付かないうちに骨がもろくなり、寝たきりになるほどの骨折をして初めて気付く人も少なくありません。痛みが出てくるのは、背骨が崩れ折れて、背中が曲がってきてからであることがほとんどです。
骨折してしまってからでは遅いので、定期的に骨密度をチェックしましょう。
- 以前に骨粗しょう症と診断されたものの、
特に症状もないので何もしていません。なぜ治療が必要なの?
- 骨粗しょう症とは、骨折するリスクが高い状態です。何もせずにいると骨がどんどんもろくなり、ちょっと尻もちをついた程度で太もものつけ根などを骨折して、寝たきりになってしまう危険があります。なるべく早く治療を始めて、骨の状態を改善し、折れにくい骨をキープすることが肝心です。
- 骨をつくるのが女性ホルモンなら、
男性は骨粗しょう症にはならないの?
- 女性より少ないものの、男性も骨粗しょう症になります。女性ほど急激ではありませんが、加齢に伴って骨の量が減り、70歳代では5人に1人が骨粗しょう症といわれています。タバコを吸っている人やお酒をよく飲む人は50歳から、そうでなくても70歳からは男性も骨密度測定を受けておくことが勧められます。
全体監修 : 健康院クリニック 院長 細井 孝之 先生